耳・鼻・喉の健康コラム

聴き返し。あるうちがまだ花!? 〜加齢性難聴と補聴器のはなしその2〜

加齢性難聴

残念ながら加齢による難聴はお薬や手術で治るものではありません。しかし、聴き返しが多い、テレビの音量が大きいといったことを頻繁に自覚、指摘されるコミュニケーションの支障を生ずるようであれば補聴器の装用を検討する必要があります。

テレビの音量が会話の邪魔をしていませんか?

習慣的にテレビを漫然と流しているお住まいがあります。テレビの音量が会話を打ち消してしまい、それが原因で聴き返しが多くなる状況もあります。聴こえが悪いからテレビの音量を大きくする。大きいからお互いに聴こえにくい。といった悪循環もコミュニケーションの支障を起こす原因にもなっているようです。特に高齢者のいるご家庭ではなるべく必要な時以外はテレビを消すか会話時に音量を下げるよう心掛けた方が得策ですが、難聴が進行するとついには聴き返しすらしなくなります。聴き返しが多いだけまし。ともいえるかもしれませんが、その状況が補聴器装用のタイミングかもしれません。

補聴器は着けた瞬間がゴールではなくスタート

しかし、補聴器は眼鏡のように着けた瞬間からまるで世界が変わったように劇的に聴こえるようになるものではありません。補聴器は着けた瞬間がゴールではなくスタートです。最初は、うっとうしい感覚が強く、着けるのが億劫で面倒なところを我慢してなるべく長時間の装用を心掛けて下さい。そうすると徐々に頭(脳)が慣れてきます。

補聴器の調整はテーラーでの背広作りと同じです。同じ身長、体重でも腕が長かったり腰回りが太かったり~細かったりなど人それぞれ違うのと同じようにそれぞれの難聴の状態や程度、生活環境などのよって微調整してご自分に合った補聴器を作り上げてゆくのです。だから補聴器は着けた時がゴールではなくスタートなのです。